LF (30-300 kHz)
136kHz帯(2200メーターバンド)
世界の多くの国で最も低い周波数あるいは最も長い波長のアマチュアバンドは、1.8MHz帯(160mバンド)となっています。2000年頃イギリスで新しいバンドがアマチュアに開放されました。それが136kHz帯です。イギリスの場合の操作範囲はこうなっています。

  周波数:       135.7-137.8 kHz

  電力:        1W、ただし空中線電力でなくERPで規定

  アマチュア業務:   2次業務

  アマチュア衛星業務: 割当なし

このバンドは実験用ではなく、恒久的に割当てられたバンドです。2000年頃、イギリスでは別に73kHz帯が実験的にアマチュアに割当てられましたが、このバンドは使用延期されませんでした。
他のユーザー
実はヨーロッパでは、この周波数よりわずかに高周波側の148.5 - 283.5 KHzでAM変調のラジオが放送されています。150kHzで波長2kmです。何がこのバンドの特徴でしょうか?回折しやすいのです。地表や海面に沿って、つまり地球に沿ってずっと地面を這うように伝播してくれます。インターネットや衛星TV放送のない昔、長波放送は唯一リアルタイムで昼夜に関係なく千km程度離れたところに情報提供していた手段だと言えます。伝播距離は昼間が1000km程度、夜間が2500km程度です。ヨーロッパ内の旅行で母国語の放送を聞きたいというとき、最も安定してサービスを提供できる周波数なのです。例えば、ドイツ人やフランス人が20年前にイギリス旅行するときには、長波が受信できるラジオを持参していたのでしょう。私が2000年にイギリスで購入したソニーのミニコンポにも、長波チューナーは内蔵されていました。
アンテナ
ラジオ放送受信のアンテナは中波と同じで内蔵バーアンテナで大丈夫です。さきほど、150kHzの波長は2kmだと書きました。また、アマチュアの電力制限は1W ERPとも書きました。送信機の電力を空中に出すのが大変なのです。ERPは(アンテナ入り口の電力)×(アンテナ効率または利得)だとお考え下さい。160mでさえアンテナ製作は大変なのに、その10倍以上の波長です。標準アマチュアは100Wの送信機と可能な限りのロングワイヤーを使って、0.1〜1W程度のERPを得ているのではないかと考えられます。
イギリス以外
ヨーロッパや南米の数カ国ですでにアマチュアに開放されました。長波帯アマチュアバンドを認めている政府はイギリス、アイルランド、ベルギー、ドイツ、チェコ、スロバキア、フィンランド、リトアニア、スイス、エストニア、サンマリノです(2002.11月末)。

 ARRLもこの周波数の開放を求めるペティションをFCCに提出しています。すでに実験局WA2XTFによる実験はなされています。
追記 2003.2.6

アルゼンチンも136kHz帯が使用できるようになりました。2002年クリスマスの日にLW2ETUによる最初の運用が報告されています。Arnie Coro (CO2KK)によると、キューバでも同バンドが近く許可されるかもしれないそうです。
リンク 136kHzの詳細記事とリンク(英語)
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