Republic of Palau Uab Lengend How Palau established?
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かつてパラオにはペリリューとアンガウルたった二つしか島があありませんでした。あるときアンガウルの女性ラトミカイクは子供を産み、その子にウアブと名付けました。生まれた翌日、ウアブはすでにはいはいをしていてお母さんはびっくりしました。そのまた次の日には、ウアブは大きくなって歩き始めてお母さんはまたびっくり。毎日毎日ウアブは大きくなってたくさん食べました。あんまり大きいのでお母さんはウアブに食事をさせるのに、竹に食事をくくりつけないとウアブに届かなくなっていました。どんどん、どんどんウアブは食べ続けました。あるとき、ウアブは豚小屋の豚も食べましたし、なんと人間の子供まで食べてしまいました。

村びとたちはウアブのことを心配しました。ついに、ラトミカイクのところに相談に行きました。彼女はもちろんウアブを愛していましたが、村びとの脅威になっていることも知っていました。ラトミカイクは悲しんで悲しみましたが、ウアブを殺してしまうことに同意しました。

村びとたちは焚き木を集め、村のまん中に積み上げていきました。ウアブは、変わった光景に気付きお母さんに聞きました。お母さんは涙ぐみながら、「みんな、お前に特別な料理を食べさせるお祭りの準備をしてるんだよ」と説明しました。十分な木が積み上げられると、村びとたちはウアブに焚き木のまん中に立つように言いました。村びとたちは「ウアブは村の誇りじゃ。さぁ、お祭りを始めよう」とも言います。無邪気なウアブはちゃんと言うことを聞きます。上機嫌に笑いながら、ウアブは焚き木の上に不安定ながら立っています。ウアブは不自然さに気付かず、また村びとは焚き木の上に燃料として乾いたやしの実を置いていきます。

ある村びとはウアブのそばで冗談を行ったりして彼の気を引き、ウアブの背中の方では火をつける準備をしています。ウアブはあっという間に火に包まれました。ウアブはもがき、叫びます。叫びは島じゅうに響きます。間もなく彼の腰巻きにも火が付き、腰が燃え始めました。火はウアブの長い髪にも燃え移りました。ウアブは怒りに吠え、燃えている焚き木を村びとめがけて蹴り上げました。どんどん火はウアブを焼いています。彼はなお焼かれながら、叫びそして倒れて行きます。ウアブが触るものもすべて燃え落ちます。人も鳥も動物もおびえ、逃げ道を探します。ウアブの反撃を恐れた村びとはカヌーに飛び乗り、沖へと漕ぎ出しました。

突然静かになりました。カヌーの人も島に残った人もウアブを見ます。焼けただれてはいますがウアブはまだ生きています。そして彼は今アンガウルの端にいて、顔は北を向いています。2、3分、ウアブは目を丸く見開いていました。それから上を見上げ、手を空に向けて上げました。涙を流しながら、かすれた声で言います。「お父さん、どうしたの。僕が何をしたと言うの?」彼は前のめりに倒れていきます。ゆっくりゆっくり、ウアブは海に倒れて行きました。

ウアブはとっても大きいので身体は引きちぎれ、パラオのたくさんの島になりました。頭はネシェロンに、首はアレンゲドに、おちんちんはアイメリクになりました。だからアイメリクにはたくさん雨が降るんですよ。背中はバベルダオブの東側に、お腹はバベルダオブの西側になりました。脚はコロールやマラカルやアラカベサンやネルクダベルになったそうです。

お母さんは残った身体におおいをかけるように村びとにお願いしました。そんなに大きいおおいはなくて、半分しかかぶせることは出来ませんでした。おおいのある所はバベルダオブの森やジャングルの部分で、おおいがない所がバベルダオブの草むらの部分になりました。現在パラオの島は、おとぎ話という意味のベラウと呼ばれています。

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